一般社団法人パブリックサービス

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中堅・若手座談会

中堅・若手座談会

様々な経験を経て、仕事やPSのことが理解できるようになった

-司会:本日は「パブリックサービス(以下、PS)の将来は、どうあるべきか」をテーマに、中堅と若手それぞれが忌憚のない意見を戦わせるという趣旨で集まっていただきました。
本題に入る前に、せっかく中堅と若手が揃ったので、まずは若手が日頃から感じている仕事への思いなどについて発言してもらい、それに対して中堅を代表してお二人くらいからアドバイスなどをお願いしたいと思います。ちなみに今日お集まりいただいた8名の内訳は、中堅が石川さん、徳増さん、西塚さん、渡邉さん、勝又さんの5名、若手が富田さん、奥村さん、佐藤さんの3名で、いずれも今年で5年目の同期です。

-富田:入社1年目は積算技術業務に従事しましたが、その後に資料作成業務に代わりました。資料作成をしていた時、積算技術に近いような業務を頼まれることもありましたので、以前の経験を生かして相談とか打合せができました。事前に、積算業務でお世話になった先輩に連絡を取り、色々アドバイスいただけたことも自信につながりました。2つの業務を経験したことで業務の流れが分かり、自分なりに工夫できるようになったと思います。

-奥村:富田さんの技術職に対して、私は事務職ですが、4年目で感じるのは、「気づく」ことが重要だということです。現在はリクルート業務をやっていますが、これまで先輩たちが発信してきたリクルート情報では、今の大学生や高校生には響かないんじゃないか?と思うようになりました。たとえば、これまでは仕事のやりがいとかで良かったのですが、今は給料とか休みのウェイトが高くなっている。そこで、「今の学生が求めていることは、こうなんじゃないんですか」と上司に意見を言えるようになりました。その点が、少し成長できたかなと思っています。

-佐藤:お恥ずかしいのですが、入社するまでどんなことをしている組織なのか、全く知らずに入り、資料作成業務、技術審査業務を経て、今は工事監督支援業務に従事しています。そうした業務経験の中で、公共工事のどの部分の仕事をしているのか、各業務の役割など、一連の流れが理解できるようになりました。工事監督支援業務でも、たとえば変更資料を作成するときなど、これは積算技術業務の人にも確認しておこうとか、どの業務の人に聞いたら問題が解決できるのかということが少しずつ分かるようになりました。でも、まだまだ分からないことだらけです。

所属の垣根にこだわらず、いつでも相談できる幅広い人脈を作る

中堅・若手座談会

-司会:では次に、若手3人の話しを受けて、中堅の皆さんからは過去の経験を踏まえて色々とアドバイスをいただきたいと思います。

-西塚:お二人の話しにあったように、他の業務から得られる情報は沢山あります。若いうちは、「広く浅く」で良いから、色々なことにチャレンジしてもらいたいですね。分からないことも多いと思いますが、PSの職員は皆さん親切だから、分からないことは積極的に聞いて、問題解決していってください。そうすれば、どんどん成長できると思います。

-渡邉:3人とも入社5年目ということで、今までは基本的で簡単なこととか、仕事に慣れてもらうスタンスなどで、仕事が割り振られることが多かったと思います。でも、これからは一筋縄ではいかない、難易度の高い仕事が与えられるようになってきます。そういう仕事の中には、自分の所属でもやったことがない、判断に迷うようなことに遭遇する場合もあります。まぁ、滅多に無いとは思いますが。そんな時、他の事業所や他の業務をやっている人たちに気軽に相談できる人脈を作っておくと、大変助かります。私の一番目のアドバイスは、「人脈を作れ」です。

-司会:西塚さんは「色々なことにチャレンジ」ですし、渡邉さんは「人脈づくり」。お二人のアドバイスは、そのままPSの新人教育方針に合致しているようですね。経験で言えば、富田君は積算技術業務・資料作成業務の二つを経験しているし、佐藤さんにいたっては4年目にして、資料作成業務、技術審査業務、工事監督支援業務の3つも経験している。また、人脈作りに関しても、富田君は最初が沼津事業所で、今は浜松事業所、佐藤さんも今の岐阜事業所の前は津事業所にいましたからね。

-渡邉:私自身、名古屋、沼津、岐阜、名古屋と、結構転々としてきました。でもそれが、今の人脈につながっていると思います。研修の時にも他の事業所の人と交流を持つようにしてきましたし、PSのイベント、たとえば去年のソフトボール大会とか、他にもプライベートでのゴルフ、飲み会など、機会があれば人脈作りに励んでいます。おかげで、困った時の相談先も広がり、仕事も非常にスムーズです。今回の座談会も、良い交流の場だと思っていますので、後々この人脈を大いに活用させてもらいますから、覚悟してください。(笑)

-司会:ありがとうございました。若手の皆さんは、参考にしてください。では、本題の「PSの将来について」話を進めて行きたいと思います。

PSの20年、30年先を見据え今、何をすべきかを考える

中堅・若手座談会

-司会:他の会社の人と話をしていた時、たまたま会社の歴史が話題になって、そこは50年史を作ると言っていました。で、その人が、「10年なんて、まだまだ創業期だよ。次に来るのが成長期で、それから大きく拡大する飛躍期、そして安定成長期を迎える。うちの会社はようやく安定成長期に入ったところだよ。もっとも、100年スパンで見たら、また別の見方をされるかもしれないけど」と言っていた。そこで思ったのが、PSの今後を俯瞰して見ていくと、これから成長期が始まり、今日の若手3人が50代になって中核で活躍する30年先くらいから飛躍期を迎えることになる。
そこで、これから始まるであろう成長期、あるいは、さらにその先の飛躍期を視野に入れつつ、我々は今、どんなことに取り組むべきか、PSはどうなっていくべきかについてお話しください。

-佐藤:近い将来のことで言わせていただければ、「けんせつ小町PS版」ができないかなと思っています。女性活躍ということで、女性技術者を増やす動きがありますが、土木業界はいまだに男性の職場というイメージが定着しています。そうしたイメージを払拭して、女性技術者が活躍できる魅力ある業界だということをアピールすることで、優秀な女性技術者が安心して土木の世界に飛び込んで来る、そんな環境をつくっていきたいです。

-富田:情報共有の仕組みをもっと充実させたいですね。本所発信だけでなく、イントラネットなどを通じて、事業所が相互にやり取りできるようになったら、PSらしい一体感も生まれてくると思います。

-奥村:資格がいらない枠で技術職に事務総合職を活用することはできないのかなと考えています。事務としても技術としても働くことのできる事務のオールラウンダー化を、組織としてチャレンジしていきたい。また、飛躍期に向けて、新しい分野に仕事を広げる「新規事業開拓」にも積極的に取り組むべきだと思います。

-石川:「成長期」「飛躍期」について考えていたんですが、これから始まると言われた「成長期」については、現在の業務を広げ、深化させることで、乗り越えていけるんじゃないかと思いました。たとえば技術審査業務ですが、この仕事、かつては発注事務所の課長がやっていた業務です。それがアウトソーシングされるようになり、今我々がやっている。そんなことが、10年前に考えられたかというと、決してそうではない。そうした新しい分野の業務が広がっていく可能性もあるし、現在やっている業務の量的拡大がもっと進むことも考えられる。奥村君の言う「新規事業開拓」という要素も重要になって来るでしょう。

-勝又:今の話しに関連するかもしれませんが、今中部地方整備局の事務所に行くと『係長募集』という貼り紙がしてあります。発注者支援の経験が12年、13年以上ある人が求められているようです。こうした状況を考えてみると、PSが入り込む余地は十分にあると思います。

-石川:その通りですね。このように、「成長期」というのは、我々が行う“内なる努力・研鑽”によって進んでいくことができます。そこで、次の「飛躍期」ですが、これには内なる努力プラス、“飛躍するための外部的な要因”が必要になると思うんです。つまり、我々の力だけではどうにもならない、経済の活性化だとか、新しい分野への拡大などといった“外部からもたらされたチャンス”が加わらなくてはいけません。そうした上昇気流に乗ることで、飛躍期が訪れると思います。

-司会:おっしゃる通り、先ほど話に出した人の会社、食品関係なんですが、台頭著しいコンビニ業界との取引ができるようになったことで、一緒に飛躍していったと言っていましたから。

-石川:そうやって考えると、奥村君が言った「新規事業の開拓ができる部署」を、今のうちから検討することも必要だと思う。

-渡邉:成長期、飛躍期も含めてですが、今一度、我々は民間企業であることを肝に銘じ、絶えず「利益と業務の効率化」を追求していくことが大切だと思います。

-勝又:まずは足元から固めていくということで、業務の効率化や、ミス防止(作業の手戻り防止)などの生産性向上。それに、働き方改革の促進と、サポートも進めていってもらいたいです。

-西塚:今年はコロナの関係で、在宅勤務や分散化での勤務が実施されています。技術職に関して言えば、勤務先を固定せず、自宅や近隣の事業所で働くなど、いい意味での働き方改革のきっかけになるのではないかと期待しています。また、ハード面やセキュリティなどの点から解決すべきこともありますが、IT(webやパソコンでのデータ共有など)を駆使して職場環境を整えれば、労働時間の短縮、長距離通勤の解消なども図れるのでないかと考えています。

-徳増:会社の進むべき方向性をきちんと示した上で、その方向性にあった人材育成を行っていくことです。PSは物を作り売ることで利益を上げていく組織ではなく、「それぞれの職員が保有する技術」を評価いただき、それによって利益を生み出しています。つまり、日ごろから言われているように「人財という宝」で成り立っている組織です。また、発注者支援という業務を全うするには、技術プラス、知力・体力・気力・実践力・コミュニケーション力の5つを備えた「人間力」も必要とされます。人材を人財に変えていく教育、そうした盤石の基盤あっての、成長期、飛躍期だと考えます。

中堅・若手座談会

-司会:皆さんの熱い思いや素晴らしい意見を聞くことができ、大変に有意義な座談会になりました。これから迎える「成長期」、そしてその先にある「飛躍期」に向けて、PSのあるべき姿を常に考え、無限の可能性を秘めた人財と技術を、All PSで磨いていこうではありませんか!
本日は、ありがとうございました。